成功はランダムにやってくる!チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方という本を読んでみました。
表紙によると
『単なる偶然がとんでもないチャンスに変わるとき』
『まぐれはつくれる』
『過去の分析や未来予測は意味がない。クリック・モーメントをみずから起こして、チャンスをつかめ!』
とか書いてあります。
さて内容。
かなり過去の事例を踏まえて書いてある300ページ超えのボリュームある本。
この本によると、テニスとかチェスとか、何年もルールが変わっていないものならば過去の成功法則が役に立つけど、日々世の中の流れが変わる現在においては成功法則なんて見ても役に立たないと。
そして成功は偶然だと言い、この偶然が起こる瞬間の事をクリック・モーメントと名づけています。
論理的で綿密に分析された戦略が成功の予測に役立った時代は終わった。これからは、予期せぬ出来事や洞察が、私たちの生活を支配するようになる。実際、歴史の灰に埋もれた人物を呼び戻すことができるのは、このような予期せぬ瞬間なのである。
例えばウィンドウズ3.0。
ウィンドウズ1.0、2.0はバグが多くて使い物にならなかったOSらしいです。
そして誰もがウィンドウズを諦め、IBMと共に別OSを作り始めていたのですが、たまたまデイブ・ワイスとマーリー・サージェントが出会ったことにより問題の解決策に辿り着く。
二人の男が金曜日の夜のパーティーで偶然出会わなければ、ウィンドウズ3.0は発売されなかったのである。
著者はクリック・モーメントを意図的に増やす方法として4つ紹介されています。
1.ボールから目をそらせ
人間は一つのことだけに集中すると、周囲で起きていることをすべて見逃してしまうらしい。
その実験としてあげられているのが、「見えないゴリラ」。
バスケットボールをしている二つのチームのうち、白いウェアを着ているチームが何回パスしたかを数えるテスト。しかし、半数の人は途中黒チームの中にゴリラが紛れ込んでいるのに気づかないらしい。
常にボール(カード)だけを見ていると、ほかのことに気づく余裕がほとんどなくなる。つまり、手元の仕事だけに集中していると、つながりが完全に姿を見せていても見逃す可能性が高いのだ。
これけっこうシューティングゲームとかレースゲームで発生しますよね。
アイテム取り逃したりとかよくあります。
2.交差的に考える
似たようなものを組み合わせるのではなく、まったく違う組み合わせから発明が生まれるという考え方。
この本では事例として、肌を露出できないイスラム系の衣装とビキニを組み合わせたブルキニ、ダンスとフィットネスを組み合わせたズンバなどを紹介しています。
3.好奇心に従う
好奇心とは、正体不明の新しいものに惹かれることであり、好奇心に従えば偶然を生み出すことができるという考え方。
この本ではルービック・キューブを例に上げ、好奇心が発明を生み出すという事について触れています。
4.予測可能な道を避ける
こうしたらこうなる、というのは分かりきっているので、それを避けようという考え方。
この本ではガウガメラの戦いを例に出し、アレクサンドロスの軍隊があえて不利にもかかわらず夜襲という方法を取らなかったことを例に出しています。
こうした方法でクリック・モーメントを増やし、まずは小さく賭ける。
大なり小なりリスクを孕んでいるから。
しかしもし小さな成功を産み出したら、一気に倍賭けを行う。
そうすることにより大きな成功を生み出す、と書いてあります。
これ読んでていて思ったけど、U理論で言うプレゼンシングに似ているなあと。
ある物事をきっかけとして自分の内面が反応する。
そしてイノベーションを生み出すという。
相関を考えてみると面白いかもしれないですね。
色々な事例が多くて、話の流れがあっちこっち行ってしまうのが少し難点ですが、
非常に面白い考え方だなーと感じました。
なかなかお勧めです。