エンジニアライフでかつて連載していたリーベルGさんの「罪と罰」が書籍化されたと。 以前も電子書籍で出ていたものの、今回は別のところから紙での出版です。 ってことで読んでみました。 内容としてはいわゆる成果主義的な話。 技術力のある人が生き残って、技術のない人は淘汰される、そんな社会を作ろうぜという話。だけど、技術力の無い人はこれからどうしていけばいいのか、と。 技術力を学ばなかったのは本当に悪いことなのか、週末子供と遊んだりして技術を磨かないのは罪なのか、という問いかけがテーマとなっています。
マネージャーには技術力よりもマネジメント力が重視されるとなっていたから、そのレールの上に乗ってきた。新しい言語を勉強するより、部下とのコミュニケーションを重視してきたんだ」 「それが罪だったと言うのか? 自分の勉強を怠ってまで、会社の方針に従ってきたことが俺の罪だったのか?
色々考えさせられる本ではありますが、リーベルさんの本は主人公が振り回される形が多くて自己主張が弱いのは個人的には残念かな。 周りの人、東海林さんとか高村ミスズさんとかトンデモキャラのほうが目立っちゃうのですがね。 ハローサマー・グッドバイはちょっと例外的なところもあるけど。 若い人なんかはこういう社会を望むかもしれないけど、管理職側はこういう本読んだらどう思うのかな、と思いました。 主張が間違っているとは思えないものの、ちょい理想が強すぎるし、そういう社会はまあ来ないのかなとも。 実際ベンチャー系だとそういう技術ファーストな会社多いですが。 でも、現実問題そんな技術力のある人はそんなに多くないし、集めてもすぐに辞めてしまったりするのですよね。 それに、現実そういう社会に疲れた人、そういう社会が嫌になった人はフリーランスへ転向し始めていたりするのも事実だったり。 少なくともここ数年でぐんと増えたし、自分自身もそっちのほうがやりやすいだろうなとも思いますし。 しかし技術を学ぶことが義務という社会は個人的には良いと思えないですねえ。自分自身は新しいもの好きだから他社や他者との交流に参加したりもするけど。 それは義務じゃない。楽しんでやってるだけ。 それを義務としたり、そういう人だけで構成されてしまった会社はいつかどこかで疲れてしまうのでは。 と思いました。 ま、ITという世界が良い方向に向かってくれるといいですねえ。